転寝力 -Utatane Power

アラフィフ独女の転職挑戦日記

歯茎に完全埋没の最後の親知らずを抜く 1

親知らずが上下左右にあり、学生時代に上の2本と、下の1本を抜いた私。

下の1本は多少歯茎から生えた状態であったにも関わらず、その抜歯作業は壮絶であり、抜いたあと顎関節症の私は炎症がひどくなって半年以上半病人になってしまった。そのことから、最後に1 本残った「完全に歯茎に横向きで埋まっている親知らず」は『抜かないと年齢を重ねたあとにかえって大変』と医者に言われたのにも関わらず、どんなことになってももう抜かない!と決めて通院をやめてしまったのでした。

 

そして時は流れ……2017年 春。

私は会社の人間関係と仕事の内容からメンタルの均衡を崩し、通院をすることになり、その医師から休職を言い渡されたことからメンタルクリニックに通院している事実を上司等に報告することになった。結果 2weeksのお休みをもらったが、このお休みの後しばらくして、残った親知らず側の奥歯に鈍痛がするようになった。

歯医者に行くと痛みとも違和感ともつかない感覚を発するのは現役の奥歯ではなく、どうやら歯茎の下に埋まっている親知らずとその嚢胞らしいことがわかった。

レントゲンには、もう、「歯のイラスト」そのまんまの親知らずがどっしりと横たわっているのがよく写っている。こいつが……いやもう抜きたくない、あんなひどい健康状態になるのは困る。今メンタルもまともじゃないのに……。しかし非情にもかかりつけの歯医者の担当医は「今はこの程度だがひどくなると大変、抜くべき。だけどこれほど大きくて深いと、下顎神経に触れてしまうのでここでは抜けない。大きい病院を紹介するから入院して抜いたほうがいい」と勧められてしまった。

ショック。

私はその担当医に、学生時代に反対側の下の親知らずを抜いた時、その後がどんなに大変だったかを訴えて、今すぐには決断できないことを告げ、一旦保留状態になった。

その後しばらくは奥歯の鈍痛らしきものはかなり弱くなっていたのだが、2ヶ月ほど経った頃、この鈍痛がだんだんと明確になってきているのを感じてきていたのであった。

うーむ……

これは本当にこのままにしていていいものだろうか。

今後この鈍痛が本当に痛くなって激化する可能性もあるだろう。このまま放置していてもいいのだろうか……見て見ぬふりもできるレベルの痛みではあったが、確実に違和感、鈍痛は明確になってきていた。

このまま見過ごせない……メンタルの不調に加えて、会社での状況など様々なことを考え併せると今処置しないと後々結構面倒なことになりそうだと思うようになっていた。

この時点で最初の鈍痛を認識してから3ヶ月程度が経っていた。

私は下の歯茎に完全に埋没している Last Of OYASHIRAZU を抜くことに決め、紹介状を書いてもらい、それを握りしめて入院施設の整った病院に向かった………と言ってもかかりつけの町の歯医者も、この大きな病院も自宅から3分以内なんだけどね。

入院する病院は窓開けると見える隣の病院なのだ。

しらなかったよ、ここに口腔外科があるなんて。

で、ある土曜日にこの口腔外科にかかった。

担当医は明らかに私より若い兄チャン先生だ。とはいえ不安には思わない。

兄チャン先生は私にCTを撮らせたあと、やはりこの最後の親知らずを抜くことを勧めた。そしてもう一つ驚愕の事実を告げたのだ。

本来歯には生える時に一緒に歯茎の外に出てその後消失する「膜」がある。歯茎に埋没したまま生えなかった親知らずの場合、その膜が歯茎内に残っている。その中に膿がたまったりし嚢胞となる。今回は膿んではいないが、抜歯の際にそれを一緒に完全に除去する必要がある。そしてCTで判断すると嚢胞が隣の正常な奥歯にかかっているのがわかる。そのためその奥歯の根っこに触れながら掻き出す必要がある。この作業を行うには正常な奥歯の神経を抜く必要がある……というのだ。

 

えー!なんでそんなことを……できればそのまま正常な奥歯はそっとしておきたい……と言ったのだが、一部でも膜が残るとそこからまた嚢胞として再生してしまうとのこと。完全除去のためにはそうするしかないという。

 

IPS細胞かよ。そんな再生能力のある膜なら、なんかに活かせないものかね?無駄にやる気満々な膜……そんな独り言が頭でぐるぐる回りつつも手術を承諾したのでした。

 

ということで、町のかかりつけの歯医者で奥歯の神経を抜く作業を行い(2、3回の処置が必要)、Last Of OYASHIRAZU & NOUHOU の除去の手術と、その手術中に神経抜いた奥歯の穴に樹脂を詰める作業を行うことになったのである。

 

備忘録としてつづく。そしてオペ本番はまだ先。